第四回 紙で建築をつくる

今回のテーマは、建築家にとって一番大切な思考方法である「立体で考える」を少しでも体験してもらうということです。

そこで、故・茶谷正洋先生が東京工業大学の教授をされていた時に考案された「折り紙建築」を実際に作ってみようとうことにしました。ある育英会の奨学金の審査員一緒にしていた時に先生の直筆のサイン入りの折り紙建築で作った「横浜クイーンズタワー」とお台場の「フジテレビ社屋」がきっかけです。

 

紙を「きる」そして「おる」だけで、たった一枚の平面の紙から無限の立体が生成できることによって「自分で作って感動すること」ができると確信しました。平面図と立面図が一枚の紙に同時に存在し、さらに現実の建築空間をいかに抽象化してそれらしく見せるかという空間認識や空間把握がしっかり身につくような気がします。

 

さらに、ひたすら細かい線を切る、あるいは紙を線に沿って半分の厚さだけ切るという作業が、集中力や持続力を鍛えることができるし、折るという作業が指をバランスよく動かす必要があるので、子どもだけではなくて高齢者にも楽しく指先と脳を鍛える訓練になるのではないかと思います。

 

たくさんの建築パーツに部材を分けて切り離し、それをボンドで貼りつけながら全体を作っていくという建築模型の作り方とは全く違う発想で、平面と立体との間を行き来できる「折り紙建築」は、無限の可能性があるような気がしています。茶谷先生から託された課題を、いま島の子どもたちと共有できることを感謝しています。

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